ラマゾウ神父著、サン・シュルピス教会の記念建造物オルガンおよび現代のオルガン製作者についての研究、1863、p.77-79.

もし大オルガンが礼拝に重要で威厳のある特徴を与えるために必要であるならば、聖歌隊席オルガンにもまた、明白な利用価値があります。しかし比較的大きな教会で、礼拝に何も不足しないことを望んでいる教会すべてに聖歌隊席オルガンを普及することはできないでしょう。残念ながらパリにある教会以外はまだ一般的に使用されていません。最初の聖歌隊席オルガンはアドリアン・ド・ラ・ファジュ氏によって聖エティエンヌ教会に設置されました。この新しい楽器は大変役に立つ貴重なものだったので、数年後にはパリにある比較的大きな教会で聖歌隊席オルガンがない教会はなくなりました。今やフランスのいくつかのカテドラルでも聖歌隊席オルガンを設置し始めています。パリ同様に、地方においても使用が一般化されることを切望します。

第一に、演奏家や聖歌隊の歌手を大オルガンの近くに配置することは、通常は(不可能とは言わないまでも)難しいです。そのため、どんなに響きの良いオルガンの音でも、単旋律聖歌も音楽的な曲も伴奏することができず、力強く面白い要素や芸術的な美しさを奪ってしまいます。オルガンの伴奏付きのプローサや賛歌と、伴奏なしで演奏される同じ曲はなんと違うのでしょうか!

それに加えて、実際になんの支障もなく大オルガンで聖歌隊の歌声を伴奏することができたとしても、聖歌隊席オルガンはやはり極めて有効です。大オルガンのオルガニストは楽曲や音色の組合せをより良く準備することができます。その多彩さが礼拝に、より卓越した特徴や、より信仰深い特徴すら与えます。聖歌隊と大オルガンが、一方は祭壇の下の方から、他方は身廊の奥の方から、主の賞賛を交互に歌う時、現時の声が起こる下のコーラスと、天使たちの永遠的な合唱を我々に一体化させるような上のコーラスという2つのコーラスがはっきり区別されて聞こえるように思いませんか?〔…〕

最も優れた聖歌隊席オルガンの中でも、サン・シュルピス教会とサン・ジュヌヴィエーヴ教会のオルガンを特記しましょう。サン・シュルピス教会のオルガンは、聖歌隊席オルガンというジャンルの中で、真の代表作です。重要な力強さを持っているだけではなく、卓越した素晴らしいソロ・ストップも有しています。これらのストップは歌声をいっそう引き立たせ、調和させます。

聖歌隊席オルガンはかなり頻繁に大オルガンの役割を満たすので、サン・シュルピス教会の聖歌隊席オルガンを製造した時、教会の規模が大きいために高音部のボンバルドを入れることを、私たちは懇願しました。このディスポジションがどれほど有効であったかを、経験が証明したのです。楽器がそれによって丸みと輝かしさを増やしました。このボンバルドの高音域3オクターヴを使って弾く時、聖歌隊席オルガンは大オルガンのような風格が出ます。サン・シュルピス教会とサン・ジュヌヴィエーヴ教会の伴奏のオルガンは模範としての役割を果たすことができます。フランスで、このようなオルガンを手に入れることができない、または手に入れなくてよい大きな教区はありません。私たちは聖歌隊席オルガンを手に入れた時、このような取得の価格でこれほど納得したことはありません。